実家の様子がいつもと違ってきていて驚いたという経験がありませんか?片付いていない、ゴミがちらかっているなどの変化に気づいたら、ゴミ屋敷化のリスクも考えてみましょう。ゴミ屋敷となるのは何も特別な人だけがなるわけではありません。
この記事を読んでもらうと、実家のゴミ屋敷化を防ぐための断捨離の大切さが分かるようになります。
親子で一緒に実家の片付けを進めるためのコツも詳しくまとめました。雑然としている実家の様子が気になっているけれど、どう切り出して良いのか悩んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ実家がゴミ屋敷化しそうになるの?
久々に実家に帰ると、ものが散らかっていて驚いたという経験があるでしょう。そもそも、どうして実家がゴミ屋敷化しそうな不安を感じるように、ものが増えてしまうのでしょうか?
気力と体力が低下してしまう
まず、考えられるのは高齢になることで気力や体力が低下してしまうことで思うように片付けができなくなることです。
高齢者になると長年同じ家に住み続けていることもあり、年数と共にものが増えるばかりとなってしまいます。クローゼットや倉庫などに様々なものが入っているのは理解していても、体力がなくてものを出して仕分けすることもできなくなります。
また、断捨離をしたいと思っても体力の衰えから気力まで落ちてしまうことも珍しくありません。若い頃と違って、やる気がなくなったのは体力の低下が背景にあると考えられます。
判断力が低下してしまう
一方、気力や体力の低下のほかには、老化が招く判断力の低下も起こりやすくなります。
記憶力もそれなりに落ちてくることから、同じような洋服や食品をまた買ってしまうこともあるかもしれません。こうなると、不必要に物が増えてしまう原因となってしまうわけです。
さらに認知症を患うと、要不要の判断すら支障が出てしまいものを捨てる判断ができなくなってしまいます。
捨てる感覚を持ち合わせていない
高齢者の世代は、今の若い人の感覚と違って「物は大事にする」という価値感が強くなっています。従って、使わなくなったものでも「別の機会に使えるかもしれない」「高かったものだけにとっておこう」といった感覚で、ものの扱いを考える傾向があります。
「使わないから捨てる」という価値感を持っていないことから、たやすく捨てることができないと思い込んでしまっている方が多いわけです。
実家がゴミ屋敷化すると心配されること
実家がゴミ屋敷化して来ているのに気づいたら、どのような心配ごとが出て来るのかを見て行きましょう。心配ごとを増やさないためにも、実家を放置することなく片付けを進める計画をできるだけ早い段階で立てておきましょう。
病気やケガの要因を作ってしまう
家の中がゴミで溢れかえった状態になると、カビ・害虫・異臭などが反省して病気にかかりやすい環境となってしまいます。
高齢になると、視力や嗅覚の低下も起こりやすく、これらの異変に気づきにくくなってしまうことも考えられるでしょう。
また、足元が散らかっているとつまずきやすくなり、転倒すると骨折してしまう恐れもあります。特に、高齢者は骨がもろくなり骨折しやすいために長期の入院を余儀なくされることから寝たきりになる可能性も少なくありません。
ものが見つからず暮らしにくくなる
ものが散らかった状態だと、必要なものが見つからず暮らしにくくなります。
特に、高齢者は体力の低下からものを探すのにただでさえ、見つけにくくなると言われています。取りにくい奥まった場所や高い場所にあるものは、取りたくても探せない状態になってしまうのです。
ものが見つかりにくくなると、生活動作に支障が出てしまいます。食事・調理・着替え・入浴などすべてにおいて、ストレスを感じる暮らしは不便極まりなくなってしまい、意欲の低下すら招く可能性もあるでしょう。
近隣から苦情が来る可能性もある
ゴミ屋敷化が顕著になると、近隣から苦情がくる可能性も出て来ます。ゴミが道路にはみ出したり、異臭がしたりするなどの苦情から思わぬご近所トラブルに発展することも少なくありません。
実家がゴミ屋敷になる前に断捨離を進めるコツ
ゴミ屋敷化が顕著になると、命に関わる事態を招く可能性すらあります。実家が散らかり始めた異変に気づいたら、ゴミ屋敷になる前に断捨離を進めるのがとても大切なことです。
実家の断捨離を上手く進めるのには、コツを意識してみましょう。
片付けを親だけに任せようとしない
親が一見元気そうに見えても、老化は誰の身にも訪れるものです。家の片付けを親だけに任せてしまう時期ではないと考えてみましょう。
実家に帰った時に声掛けだけで片付けを率先して始めるようになるのは、そう期待できるのもではありません。
断捨離を始めるなら、親子で意見を交わして一緒に取り組む気持ちで始めるのが基本です。
親にとって安心・安全な家にする
断捨離を始めるのに「きれいな家にしなければ」という目的を前面に出すのは、親の承諾を得にくくなります。きれいにすることだけが目的ではなく、親にとって安心・安全な家にするのがとても重要です。
ものが散らかっていることで、転倒しやすくなるのを防ぐだけではなく、災害時でも避難しやすい環境を作ることも目標にできます。
親子だから言葉選びに注意をする
親しい親子だからこそ、断捨離の際には言葉選びは慎重に考えてみましょう。
NGとされる言葉は、避けるのが得策です。
- 「古いものをとっておいて捨てるのは私なんだからね」
- 「いくつあっても無駄なんだからね」
- 「いらないものは捨てるように考えてよ」
こういった言葉は、親子関係が険悪なムードになる可能性があります。逆に、親に意見を求める言い方ならOKです。
- どちらかを残すようにしない?
- 置きっぱなしにしないで移動させてみようか?
- 使うものだけいくつか取っておこうね
断捨離を親子でスムーズに進めるためにも、言葉遣いをちょっと一工夫してみるのがコツです。
親のものを勝手に捨てない
親子だからといって、勝手に親のものを捨ててはいけません。行き違いが生じて険悪なムードになってしまうと、断捨離が中断することもあります。相手の価値観で自分のものを勝手に捨ててしまうのは、誰だって不愉快な気持ちになるものです。
当然ゴミだと思えるものでも、念のため親に聞いてから処分するという立場を意識しておきましょう。
断捨離で思い出を振り返る時間を作る
実家の断捨離をする時には、労力や時間もかかりなかなか腰が重いものかもしれません。しかし、思いがけない思い出に触れることもあるのが断捨離です。
ふだんは、ゆっくりと昔からある写真や本、雑貨などを手にすることはないでしょう。実家で断捨離をすると当時の親の気持ちがだんだんと分かるようになり、ある意味、親子で貴重な時間を過ごすことに充てられるメリットがあります。
まとめ
実家がゴミ屋敷化してしまいそうな不安がある時には、できるだけ早い段階で断捨離を計画しましょう。実家だからといって自分の思い通りに片付けるのではなく、親の気持ちに添って片付けるのが鉄則です。
散らかっている状態を放置していても、何も解決には至りません。ゴミ屋敷となるのを防ぐためにも、親子で断捨離を進めるコツを意識して取り組んでみましょう。
実家の断捨離を始める前には、親子で充分な話し合いをしておくと進みやすくなるので、そういった機会を設けることから始めてみませんか?