一人暮らしの高齢者が悩めるのは、孤独死や亡き後の遺品整理のことではないでしょうか?孤独死となってしまった場合、同居家族や親しい人が覗かない限り発見されるまでの時間が長くなってしまいます。それにより、部屋の傷みや近所への影響なども心配されます。今では、孤独死が大きな社会問題となって来ているわけです。
今回は、一人暮らしの方が抱える遺品整理の問題・孤独死への不安・生前整理を行うメリット・遺品整理を生前予約するメリットについて解説していきます。
目次
- 高齢者の一人暮らしが抱える孤独死への不安
- 亡くなっても気づかれない不安を抱える一人暮らし
- 自分の死後も遺品整理の不安が付きまとう
- 不安を減らすには生前整理を元気なうちに行う
- 遺族の遺品整理の負担が軽減できる
- 一人暮らししている本人も暮らしやすくなる
- 賃貸物件に住んでいるなら管理会社と話し合っておく
- 一人暮らしの人は遺品整理の予約もできるの?
- 一人暮らしの人でも予約できるので安心
- 遺品整理を生前予約するやり方は?
- 亡くなるまでに生前予約の見直しや更新を行う
- まとめ
高齢者の一人暮らしが抱える孤独死への不安
高齢者で一人暮らしをしている割合も高いため、「孤独死をしてしまったら」と不安を抱えている方も少なくありません。現に、配偶者と死別、熟年離婚などの理由で一人暮らしをしている高齢者は増加し続けています。
亡くなっても気づかれない不安を抱える一人暮らし
一人暮らしをしていると、だんだんと社会とのつながりも希薄になってしまう人も中にはいます。声かける人が居なくなることで、死後、時間が経過して発見されることも当然考えられるでしょう。時間の経過とともに、特殊清掃を行わなくてはならなくなり遺品整理の時間や費用もそれだけ多くかかってしまいます。
さらに賃貸物件なら孤独死で時間が経過すればするほど、部屋の損傷・臭いが残り大規模な修繕が必要となります。身寄りがない一人暮らしの場合には、大家さんが費用の請求もできなくなり自らの負担となってしまうこともあります。
このような事情から、高齢者の一人暮らしの入居をできるだけ避けたいと考える管理会社や大家さんも出て来ているわけです。
自分の死後も遺品整理の不安が付きまとう
自分の死後、遺品整理をするにも遺品の中に預金通帳や証券など貴重書類が紛れていたり、美術品や骨とう品など価値があるものなのに遺族が誤って見過ごし捨ててしまったりすることもあり得ます。
特に、実家住まいの一人暮らしは、自分だけではなく先代や兄弟の物の残っていることが多く、遺品整理の際に対応しなければならない荷物が多くて負担が大きくなることも予想されます。
不安を減らすには生前整理を元気なうちに行う
一人暮らしの方が何も整理を行うことなく亡くなると、遺品や遺産の扱いに家族や親族が困り果ててしまいます。そんな不安を減らしておくには、まだ体力や気力のあるうちに生前整理を行うのが賢明です。
遺族の遺品整理の負担が軽減できる
生前整理を予め済ませておくと、本人の死後、遺族の遺品整理の負担が大きく軽減できます。家族が遠方に住んでいる場合には、故人がどこにどんなものを置いていたのかを把握しづらくなります。依頼者の死後、遺族が片付けに悩まされる負担を減らせるのが生前整理の特徴です。
一人暮らししている本人も暮らしやすくなる
一人暮らしを続けている本人も、生前整理を行えばその後、子供に受け継いでほしいとか形見に渡してほしいなど自分の意思を反映できるメリットもあります。
依頼人が一人暮らしだと、だんだんと年を取るにつれて身の回りの片付けや掃除が出来にくくなることも考えられます。元気なうちに生前整理をしておくことは、今後の人生を暮らしやすくできるメリットもあるのです。
つまり亡き後のことを考えることは、これから先の自分の人生をいかに快適に暮らすかを考えることに直結しています。
賃貸物件に住んでいるなら管理会社と話し合っておく
賃貸物件なら、一人暮らしの入居者が亡くなると保証人が明け渡しの時期を決めるようになります。一般的には月末締で契約を解約するのが普通ですが、管理会社や大家さん次第では融通を利かせることもあります。
生前整理をある程度まで進めておいて、管理会社に退去までの決まりについても話し合っておくのが賢明です。
一人暮らしの人は遺品整理の予約もできるの?
「遺品整理の予約を自ら生前にしておけるのだろうか?」という疑問も浮かんでくるでしょう。遺品整理の生前予約のメリットややり方・見直しや更新について説明します。
一人暮らしの人でも予約できるので安心
一人暮らしの人でも、遺品整理を生前予約(あるいは事前予約)することはできます。一人暮らしの場合、残された家族や親戚は生活の基盤が別世帯ですので、それだけ大きな負担がかかってしまいます。しかし、本人が生前に遺品整理の予約をしておくことで、大きく負担を軽減することができます。
遺品整理を生前予約するやり方は?
遺品整理という言葉が、身近になったのもここ数年のことです。そもそも、遺品整理士という資格が一般社団法人遺品整理士認定協会によって設定されたのは2011年ですので歴史はまだ浅いと言えるでしょう。そのため、遺品整理は身内で行うものという認識を持っている方もまだまだ少なくないものです。
様々な業者が進出している業界でもあり、遺族が遺品整理を依頼するにも、サービスの質や費用を見極める目を持たなくてはなりません。自らの死後の遺品整理を任せるのですから、よりいっそう吟味しておく必要はありますね。
生前予約は、遺品整理業者に訪問して見積もりをしてもらうことから始めます。家財や荷物の量や状況次第で費用が決められます。自分の死後にきちんと遺品整理をしてもらえるように、料金が妥当か、サービスの内容が的確なのかをきちんと確かめておきましょう。
亡くなるまでに生前予約の見直しや更新を行う
遺品整理を予約しても、いつ亡くなるかというのは誰も分かりません。生前整理を途中まで済ませているか、遺産の内容が変わったとか長い契約期間では歳月とともに内容に違いが生じることもあるので、定期的に見直すようにしましょう。サービスの内容を追加したり、不要なものは削減したりする必要もあります。
まとめ
一人暮らしの高齢者の悩みで大きくのし掛かるのが、孤独死です。そうなってしまうと遺品整理を任された遺族の心理的な負担だけではなく費用もさらに上乗せされてしまうので、負担も大きくなります。一人暮らしの方の死後の遺品整理をできるだけスムーズに行うためには、生前整理や生前に遺品整理の予約など検討を前もってできることを把握しておきましょう。