実家の片付けをしたいけれど、なかなか進まないという悩みを持つ人も少なくありません。片付けを進めにくいのには、さまざまな理由があります。また、最後まで片づかないままで中断してしまうのにも、注意点をしらずに進めてしまうことが一因になることも少なからずあるものです。
今回は、実家の片付けを業者に依頼するタイミング、親とけんかをせずに進める注意点、片付け業者をおすすめするケース、費用の相場を詳しく解説していきます。
目次
- 実家の片付けはいつ行う?
- 親が元気なうちに行う生前整理
- 親が亡くなってから行う遺品整理
- 親とけんかせずに実家の片付けを進める注意点
- 大切な写真の扱い
- 本の扱い
- 仏壇に関する扱い
- 片付けの目的を理解してもらう
- 実家の片付けを業者に依頼するのがおすすめのケース
- 親が高齢で持病がある
- 実家が離れたところにある
- ゴミ屋敷化する恐れがある
- 実家の片付けで発生する費用の相場は?
- 間取りあたりの相場
- 片付け業者に依頼できる内容
- まとめ
実家の片付けはいつ行う?
実家から離れ、独立して暮らす子どももだんだんと年数が経過するに連れて親の老化を目の当たりにすることも多いでしょう。実家の様子を定期的に見ているようであっても、同居しているわけではないため、汚れが目についたり片付いてなかったりすることの方が多いでしょう。片付いていない実家が気がかりになりつつも、子ども世代も何かと忙しく手が回らないことも多くなります。実家の片付けは、いつ始めるのが良いのでしょうか?
親が元気なうちに行う生前整理
定年や還暦といった節目に生前整理を行うのも、タイミングとしてはおすすめです。生前整理の定義は、「生きているうちに自分の身辺や家財を整理すること」なので、何も高齢者に限った話ではありません。そのため、30代や40代でも準備をしている方もいるのです。
親が元気なうちに生前整理を進めておく方が、理想的と言われています。なぜなら高齢になるにつれ、物事を始める意欲が衰えてしまったり、認知症になって意思表示がなかなかできにくい状態になったりする可能性もあるからです。
親が亡くなってから行う遺品整理
一方、生前整理をしないままで親が亡くなって遺品整理を行う時に、片付けに追われるケースも珍しくありません。捨てるもの、必要なもの、形見分けするものに遺品の整理に迫られます。遺品整理の時期は、個々の状況によって違うがあり、いつまでにしなければならない決まりはありません。しかし、一般的には四十九日で遺族が集まっているタイミングに形見分けをするケースが多くなっています。
遺品には、相続の対象となる貴金属や資産などももちろん含まれます。物を仕分けするだけではなく、財産相続まで視野に入れた遺品整理を行う必要があるケースもあり、なかなか実家の片付けが捗らないという傾向も顕著です。
親とけんかせずに実家の片付けを進める注意点
できれば早い段階で生前整理を行っておけば、遺品整理の負担を減らせるようになるのですが、親との話し合いが上手く行かずにけんかになってしまうこともあります。
大切な写真の扱い
親世代となるとデジタルで写真を残すよりも、プリントされた写真の方が圧倒的になじみ深いでしょう。片付けを進める時には、写真の扱いも慎重に行う必要があります。勝手に、子どもの判断で写真を捨ててしまうと、親としては何となく自分をないがしろにされている気持ちにもなるものです。
あまりに写真が多いのであれば、デジタル化して残す方法を提案するのも良いでしょう。
本の扱い
親の世代になると当然長い人生を生きてきているため、本がだんだんと増えてしまうのも当然です。なかなか、本や専門書は気軽に捨てられない気持ちになってしまいます。子どもにはあっても無駄な本ばかりと感じても、親にとれば数冊でも手元に残したいと思うものかもしれません。
そういった親の気持ちを尊重することも、とても大切です。
仏壇に関する扱い
実家の片付けで仏壇の扱いも、もめごとの発端になる可能性もあります。「粗末に扱われた」「実家に帰っても仏壇で手を合わせることもない」などと親が感じている時もあるかもしれません。心が安らぐ場所として手を合わせたい気持ちを尊重することができるかどうかも、親世代には心配になる点でもあるのです。
片付けの目的を理解してもらう
実家の片付けを親子で進めるにしても、上記のような考え方の違いや誤解によって喧嘩になってしまうこともあり得ます。せっかく、始めた生前整理が台無しになってそれっきり中断してしまっては元も子もありませんね。
そのためには、片付けの目的を親に理解してもらうことも考えましょう。「亡くなった後のことばかり考えている」と親が感じることもあるかもしれません。現在では、親片(おやかた)という言葉も登場しているくらい、実家の片付けの方法や業者の費用などに悩みを抱えている人が多くなっています。ブログを見てみると、親の家を片付ける手順も多くと取り上げられているので、話題にしてみるのも良いでしょう。
亡き後のためだけに実家の片付けをしているのではなく、暮らしやすい快適な住まいを目指すことも目的には含まれています。親子ですので、片付けを始めてもイライラしたりけんかになることも時にはあるでしょう。それでも片付けの目的を共有していれば、ゴールを一緒に目指しやすくなるのは確かです。
実家の片付けを業者に依頼するのがおすすめのケース
実家の片付けを自分たちで行うのではなく、業者に依頼する方がおすすめというケースもあります。思い当たる点があれば、今後、業者の活用も視野に入れてみましょう。
親が高齢で持病がある
既に親が高齢でも持病がある場合には、生前整理を自分たちで行うと言っても大きな負担を親にかけてしまう可能性もあります。また、親の様子を見る子どもの立場としても、通院や定期的な帰省などやるべきことが多くなる傾向が強いので、実家の片付けを行う時間の確保ができづらい状況も考えられるでしょう。
実家が離れたところにある
実家から遠く離れたところに子どもが住んでいる場合、帰省するにしても年に数回しか無理という方もいるでしょう。時間を捻出したり片付けに帰省する時間と出費を考えたり、何かと調整が求められます。
このような場合にも、業者の力を借りることで数少ない帰省の機会と依頼日を合わせておけば、実家の片付けを進めやすくなります。
ゴミ屋敷化する恐れがある
また、実家の様子を見て放置するとゴミ屋敷化してしまうような状況の場合にも、即座に業者を検討するのがおすすめです。片付けが以前のようにできなくなった理由には、体の衰えだけではなく気力の低下も大きくかかわっています。心理的なものから、物をため込まずにはいられないケースもあることも把握しておきましょう。
さまざまな理由から片付けができなくなることは、誰の身にもあり得ることなのです。放置すれば、健康被害も出てくる心配も少なくありません。
実家の片付けで発生する費用の相場は?
そうはいっても、実際に実家の片付けに充てる費用がどれくらいなのかも相場に目を通しておきましょう。業者を検討しても、あまりにも費用の相場が高額となると、現実的ではなくなってしまうこともあるでしょう。
間取りあたりの相場
以下は、実家の片付けを業者に依頼する場合の相場です。間取りや不用品、ゴミの量によっても費用は異なってきます。実家の間取りですので2DKあたりから相場を意識してみましょう。
2DK | 90,000円~250,000円 |
2LDK | 120,000円~300,000円 |
3DK | 150,000円~400,000円 |
3LDK | 170,000円~500,000円 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 |
手間を省き、一気に実家を片付けられるメリットはあるものの、まとまった費用を準備しておかなくてはならなりません。相場から少しでも費用を抑えるためには、自分で実家の片付けを行う部分を増やしたり、買取を検討したりすることも想定せざるを得なくなりますね。
片付け業者に依頼できる内容
短期間で実家の片付けを済ませるには、片付け業者に任せる方法があることを紹介しました。ここからは、具体的にどんな内容が依頼できるのかも見ておくと業者に問い合わせする際にも内容を予めイメージがしやすくなります。
- 荷物の選別や仕分け
- 不用品の処分
- 不用品の買い取り
- 家財の片付けや搬出
- 庭や倉庫の掃除や手入れ
片付け業者といっても、不用品回収や不用品買取も同時に請け負っている業者もあります。これらの業者だと、一度の依頼で片付け、回収、買取もすべてを任せられるので実家の片付けを迅速に終えられるメリットは大きいです。
ただ、注意したいのは依頼内容によっては、基本料金に含まれていないものもあるため、見積もりの際にしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
実家を片付けを進める時、自分たち親子だけで行うにも計画性や注意点の把握が欠かせません。実家の片付けは、心身への負担も大きい作業ですので、理想的なのは、親が元気なうちから話し合いをしておくことです。しかし、現実的にはなかなか親子のライフスタイルも異なり話し合う機会も逃してしまいがちな家庭も多いでしょう。片付け業者に依頼する場合にも、片付けのやり方や費用の相場を抑えておくだけでも、業者の絞り込みの際に役立つだけではなく、親子の話し合いの具体的なきっかけにもなります。「そろそろ、実家の片付けを始めないと」と思い立ったら、進めるための計画を立てるためにも業者の見極めるポイントも念頭に入れておきましょう。