親のことや自分のことと年齢を重ねるに連れて、先々の不安もつきまとうようになります。自分が他界した後の遺品整理や元気なうちに進める生前整理も、関心が高くなって来ているのも頷けるでしょう。もし、あなたが高齢となった親を抱えていれば遺品整理は、避けては通れません。また、一定の年齢に差し掛かってくると、自分が亡くなった後を託すためにも整理が必要だと痛感し始めます。
この記事では、親や自分の身辺整理をそろそろ考えている方に、生前整理と遺品整理の意味合い、時期、手間や負担に焦点を当て違いをお伝えします。
生前整理と遺品整理の意味合いの違い
「生前整理」や「遺品整理」の言葉が登場してきたのは、ここ十数年前からです。これまでに家族を亡くした経験がないと、それほど身につまされる気もしないでしょう。生前整理と遺品整理は、物を整理する点では同じ行為ですが、意味合いは大きく違って来ます。
遺族が整理する遺品整理
遺品整理は、遺族が亡くなられた方の遺品を整理する意味合いがあります。同居している場合には、遺品をある程度把握しやすくなりますが、遠く離れたところに遺族が住んでいる場合だと、遺品の整理をするにもやり方も慎重に考えなくてはなりません。
亡くなられた方が使っていた食器、洋服、家具、家電、寝具など実にいろいろなものが遺品となるため、遺品の量は想像以上に多くなることの方が多いわけです。
自分の意思で整理する生前整理
生前整理は、生前に自分の意思で整理を行う意味合いがあります。生前整理の方が、自分にとって不要なものを見直し、処分を計画的に進めることができる特徴があるのです。所有物で要不要を判断して、仕分けをすると気持ちの整理ができるようになりすっきりと暮らしやすくなるメリットも得られます。生きていると、大なり小なり自分の所有物は増えていくのが当然です。意味合いは分かっていても、生前整理というと自分が他界した後のことを見越した整理という意味合いがあり、やろうと思ってもまだ現実的には気乗りしないと感じる方も多いでしょう。
生前整理と遺品整理の時期の違い
生前整理と遺品整理は、行う人・意味合いの違いに加えて、行うべき時期の違いもあります。
生前整理の時期
生前整理は、一定の年齢を経ている中高年世代になってから始めるのが妥当と思うでしょう。実際に、人生の終焉が見え始める中高年になると、積極的に生前整理を考えたり始めたりする方が増えて来ます。しかし、中には30~40代の方でも生前整理を意識をしている方や病気や家族の死を契機に自らも生前整理を始めているという方もいます。
このことから、生前整理は年齢に関係なく行われるものの、実際には中高年から意識が高まり始めているのが分かるでしょう。けれども一度、整理をしてしまうとそれで終わりではなく、生きている間に物がまた増えたり家族構成が変わったりすることもあるので、見直しもするのが良いでしょう。
遺品整理の時期
一方、遺品整理も期日までに必ず行わなければならないわけではありません。ただ、遺産相続や様々な手続き、賃貸物件からの退去などを進めるには、葬儀後、から早く始めなければならないケースもあります。
遺品を分類して、「残す」「処分する」と決めていきます。もし、エンディングノートがあれば、内容に従ってください。処分方法は、「捨てる」「売却」「譲渡」から方法を決めましょう。捨てるためには、自治体の回収に従って分別が必要になるので、手間と時間がかかります。
資産の相続は、遺言書があればそちらに基づき進めますが、遺族でのトラブルを防ぐためにも慎重な話し合いを行うようにしましょう。
遺品整理は、物の整理は持ち家に故人が住んでいた場合、早急に焦って進めなくても問題ありません。ただ、資産価値のあるものの整理は、できるかぎりスムーズに進めるためにも早い段階から計画を立てておくのが賢明です。
生前整理と遺品整理の手間や負担の違い
手間や負担を考えた時、生前整理と遺品整理には、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
遺品整理の方が大変な理由
生前整理の方は、自分が身の回りの物や財産などの整理をするので、意思決定をしやすくなると言えます。また、特別急ぐ事情がない限り、時間をかけて進めることが可能です。遺品整理が大変になるのは、肉親であっても故人の遺品を整理するにあたって「貴重品がどこにあるのかもわからない」「喪失感が強く遺品に向き合えない」など心の葛藤もあり落ち着いた気持ちで進めにくくなりることも影響していす。生前整理よりも短期間で進めなければならないことが多い遺品整理は、ものの多さで困難を極めることが多いのです。
さらに、時間に追われることや手間や負担がかかることから、遺品整理業者に依頼する必要も生じるため、どれくらいの費用がかかるのかと金銭面の心配ごとも出てくるでしょう。
生前整理は費用を抑えることも可能
生前整理は、自分が元気なうちから始められるため、処分する方法も選べます。自治体の回収で対象となっているものなら、ゴミを少しずつでも計画的に出すこともできるので、その分、生前整理を業者に依頼しても費用を抑えることもできるのです。
まとめ
生前整理は、少しでも行っておく必要があると思っていても日々の暮らしに追われ、行動を起こしにくいものです。やはり、遺品整理の大変さを思うと、少しでも生前整理を始めておくのが妥当でしょう。生前整理は、必ずしも行う時期が決まっているわけでもないのです。まず、身の回りのものから少しづつでも、取り組む気持ちを持って進めてみませんか?すべて生前整理を完璧にやり遂げようと思う必要はありません。生きていると刻々と変化もあるのが当たり前だからです。残されたこれからの人生を大切にするためにも、生前整理を行って自分に向き合ってみることを考えてみることをおすすめします。