終活という言葉も定着しており、生前整理も多くの方々が注目しています。遺品整理と違って元気なうちに本人の意思で行う生前整理には、具体的にどんな目的があるのか改めて考えてみましょう。生前整理に関心が高くても、なかなか具体的なやり方が分かりにくいこともあるものです。生前整理の講座をアドバイザーから受けるチャンスもにも恵まれないとという方もいらっしゃるでしょう。
今回は、生前整理の目的・生前整理のやり方のポイントを詳しくご紹介して行きます。
生前整理には2つの目的がある
生前整理は、読んで字のごとしで生前に身辺の整理をしておくことです。自分が他界した後のことを思って済ませておく印象を持ってしまいがちですが、生前整理が必要なのには2つの目的があります。
亡き後の負担を減らすための生前整理
亡くなった後にご遺族が遺品整理や相続などで困惑したり争いごとが起きたりしないように、生前に物や財産を整理しておくのが「生前整理」です。一般的には、身内が無くなると配偶者かお子さんが遺品整理や財産の相続などを行います。けれども、身内を無くすとそれだけでも手続きも期限があるものもあり、時間や手間がかなりかかってしまうものです。加えて遺品整理をしなければならないとなると、手間や時間も相当かかり、遺族への負担は決して軽いとは言えません。
故人の意思がエンディングノートや遺言で残されていない時には、ご遺族が故人の希望に沿う形で遺品整理を進めるにしても、限界があるでしょう。故人の意思が反映されない遺品整理になってしまうことで、トラブルの芽になってしまいかねません。
生前整理は、こうした問題を避けるために考え始められたものです。
自分のためにも必要な生前整理
生前整理を済ませると、亡くなった後に希望通りに遺品整理を進めてもらえるのは大きな安心感となります。財産を分配するにしても、故人の意向が100%反映されれば、無駄なトラブルを避ける根拠にもなるでしょう。
また、生前整理をすると必要なものだけに囲まれた生活を手に入れられます。生活をすっきりとシンプルにすれば、ストレスを軽減したり認知症予防になったりすることで、より豊かな暮らしに変えられるのです。
生前整理というと高齢者が考えるべきことだと思い込みがちですが、若い世代でも生前整理をしておきたいという方もいらっしゃいます。必要なものを残して、自分の所有物・財産を把握することは、これからの人生を良くするためにも必要な大事なことなのです。
生前整理のやり方の4つのポイント
これから実際に生前整理を始めるには、やり方の4つのポイントを抑えておくと進めやすくなります。
物に関することは「要る」「要らない」で整理する
生前整理でまず思い浮かべるのが、物に関することではないでしょうか?要らないものは、いつの間にか増えてしまっているのになかなか捨てられないのは、生前整理に限ったことではありません。
「要るもの」と「要らないもの」をきちんと分けるためには、物と向き合わなくてはなりません。これから使わないものや長いこと使わずに忘れていたものは、処分していきましょう。「いつかは使う」という感覚で持ち続けていると物はたまってしまうばかりになってしまいます。
- 不用品を捨てる・売る・譲る
- 思い出の物を選ぶ
- 写真を仕分けする・デジタル化して保存する
生前整理の大きな柱となるのが、物の整理です。即座に処分ができにくいものですので、自治体の回収だけではなく、業者のサポートを活用することで手間と時間をかけずに進められます。
心に関することはエンディングノートを作る
「自分の気持ちを家族にどう残すか?」「人生の終わりに何を心から伝えたいのか?」と考えた時に、脚光を浴びているのがエンディングノートです。法的な効力はないものの、エンディングノートを作っておくことでご遺族への自分の思いを伝えられます。心から伝え得たいことをメッセージとしてご遺族に残す方法として、エンディングノートを活用する人が増えてきているわけです。
- 医療
- 介護
- 延命治療
- お葬式
- お墓
大きく分けると上記の希望をまとめていきます。意思表示ができなくなった時、亡くなった後の葬儀のやり方、お墓への納骨などまで希望をまとめられるため、自分の思いを形としてエンディングノートに残せるのは、とても有意義なものだと言えるでしょう。
金銭に関することは財産目録を作成する
金銭に関するもの、預金、不動産、証券、車などは財産目録の作成をしましょう。相続の際に、ご遺族がなかなか把握できない、見つけられないこともあるため、財産目録を準備しておくとできるだけ相続をスムーズに行えるようになります。作成時に、不動産の見直しをして必要なものだけを残すことにも役立ちます。一例をあげると以下のようなものがありますが、生前整理を進めることであいまいになっている金銭に関する内容を自ら認識しなおす事にも役立つのです。
- 預貯金の口座情報
- ネット銀行・ネット証券の情報
- 保険の情報
- 資産情報
デジタルに関することは前もって整理する
デジタルに関する整理も前もって進めておくようにしましょう。一例をあげてみると以下のようなものが当てはまります。デジタル遺品は、個人情報の流出やご遺族でも見ない方が良いデータ(写真・動画)などもあるため、想像以上に難しい問題をはらんでいることから前もって生前に整理しておくことがよりおすすめです。
- クレジットカード・電子マネー・ポイントカードなどの情報
- 定期サービスの利用
- ブログのパスワード・SNSアカウント情報
- パソコン・スマートフォンのパスワード管理・整理
- ネットのプロバイダ情報
- 利用サイトのログイン情報
エンディングノートアプリでは、財産情報や個人情報を整理できるものがあります。設定した期間を経過して電源を入れると、指定したファイルの自動削除・自動公開ができるため、活用も視野に入れてみましょう。
まとめ
「自分ひとりでは生前整理を進めるのは気が重い」「生前整理について詳しく知りたい」という方も少なくありません。生前整理が必要であると理解してプレッシャーを感じているものの、結局、片付けができないままで他界してしまう方もいらっしゃいます。特に、物の整理に関するサポートを当社でも多数お受けしています。実績豊富な「福岡エコサービス 遺品整理センター」へ、生前整理のことについてどんな些細なお悩みでもお気軽に問い合わせください。遺品整理士認定協会の認定遺品整理士が、よりよい生前整理を皆様に分かりやすくご提案させていただきます。