終活への関心が高くなっている時代であり、生前準備をしておくことはどれだけのメリットがあると受け止められているのでしょうか。そもそも、生前から準備をしておくべきことには、どのような内容があるのかも全体像がわかりにくいものです。
この記事を読んでもらうと、生前準備しておくべきこととそのメリットが理解できるようになります。ただ漠然と生前準備を始めようと思うよりも、意義を知ることで取り組みやすくなるでしょう。
生前準備ですべきこと4つ
生前に準備しておくと良いと言われても、やるべきことは多岐にわたるため把握しづらいものです。まずは、柱となる4つの項目を具体的に見て行きましょう。
1.財産をまとめる
財産の管理をすべてまとめておきます。現金、預金、株券、不動産などすべての財産を整理しておきましょう。借金がある場合には、そちらも含まれるので抜かりなく把握しておいてください。
財産目録を作ることで、その後の遺言書まで作りたい方はじっくり考えられるようになります。自分の財産を正確に把握することで、遺言の詳細も感が安くなるメリットがあります。
2. エンディングノートを作る
エンディングノートには、最期に希望や思いを自分なりにまとめておきます。書き残すことも大切ですが、死後に伝えたい人に希望を伝えられるという意味合いも大きいものがあります。
医療の項目
かかりつけ医、服用中の薬が分かるともしも本人が意思表示できない事態になっても状況が把握できるようになります。
延命治療や告知についても希望を残しておくと、家族が判断に迷うのを軽減できます。
葬儀の項目
葬儀の有無、やり方、喪主、遺影、宗派、訃報を連絡して欲しい人などをまとめておきます。家族が知り得ない交友関係の情報があれば、葬儀が進めやすくなるわけです。
遺族にとっても、本人の希望に沿った葬儀をやり遂げられたという穏やかな気持ちになるでしょう。
3.デジタル関連をまとめておく
パソコンやスマートフォンに残されたデータやネット上の使用ツールの情報などを整理しておきましょう。デジタル遺品となってしまうと、本人ではない人が適切にデジタル関連を知ろうとするのは非常に困難です。
- アカウントやパスワード
- 写真や動画
- メールアドレスや電話番号・LINEなど
- クレジットカードの情報
- 電子マネーの情報
- ネットバンク・ネット証券・仮想通貨など
4.不要なものを整理する
自分の所有物を要不要にわけて整理します。生前整理と呼ばれる行為で一番多いのが、物の整理です。
- 日用品
- 思い出の品物(写真やプレゼントされたものなど)
- 自分のコレクション
これらの中で、不要なものを一旦整理しておくのが生前整理です。要不要の判断がしやすいことや身体が動きやすいことから、元気な頃から進めるのが賢明だと言われています。
生前準備しておくメリットは双方にある
生前準備をしておくと自分にも家族にもそれぞれメリットがあります。あまり、生前準備のことがピンとこない方はどのようなメリットがあるのかを知ることで、関心を持つきっかけになるでしょう。
死後に希望を託せる
自分の死後の希望は、生前に誰かに託す必要があります。生前準備をしておけば、葬儀やお墓など希望を明確に伝えられるようになります。
残りの人生が有意義になる
生前準備というと、亡くなった後のことを考えるものなので、後ろ向きの行為だと考えられがちです。しかし、自分の人生が終わることを考えておくことは、その後の人生を有意義にするのに役立ちます。
やがては誰もが人生の終わりを迎えるものですが、生前準備をしておくと残り人生への考え方が前向きになるのです。
もしもの時に家族の迷いが少なくなる
病気で本人の意思表示ができない時、延命治療を判断しなければならない時、不幸にして突然亡くなった場合などでも、家族は判断をしなければならない状況になります。
何らかの希望を本人が意思表示しておくことで、家族が判断をする際の迷いを少なくできます。
葬儀を希望の形で行ってもらえる
亡くなった後には、葬儀や供養のやり方を考えなくてはなりません。葬儀のやり方もいろいろあるため、遺族にとっては慎重な判断が求められるでしょう。
生前準備ができていると、本人の希望が分かるので葬儀や供養のやり方がスムーズに決めやすくなります。深い悲しみの中で、葬儀のやり方に迷いが生じてしまうことを避けられるのは、心理的な負担を軽減することにもなるでしょう。
相続財産を調べやすい
生前準備で、財産目録を作っておくと遺族が相続財産を把握するのに手間がかからなくなります。始めから、財産目録があればその中から遺産分割協議が進められるので、不要なトラブルを避けられる意味も重要です。
まとめ
生前準備は、お伝えしたように項目ごと分けて準備をすると進めやすくなります。準備すべき内容は多岐にわたるため、ゆっくりと時間をかけて行うことで消化しやすくなります。
ただやみくもに始めるよりも項目ごとに進めると、進捗状況も把握しやすいでしょう。
生前準備は、本人にも遺族にもメリットがあることを理解し、関心を持ち始めた方は計画を立てて取り組んでみませんか?