終活で注目を浴びている生前整理ですが、具体的にどのような行動をいつ起こせばいいのかは分かりにくいものです。物が増えて片付けや整理は時々しているという方も、生前整理となるとどのような気持ちで取り組めば良いのか、戸惑うものでしょう。
この記事を読んでもらうと、生前整理の意義やタイミング、生前整理ですべき内容が分かります。生前整理の情報を少しでも入手し、自分なりの人生の終焉に向けて悔いのない生前整理を進めていきたいものでしょう。どのような生前整理のやり方があるのかを考え始めた時に、役立つ内容をご紹介して行きます。
終活でおこなう生前整理とは?
終活がブームになり、生前整理について考え始める人も多くなっています。生前整理とは、自分が生きている間に身の回りの持ち物から財産まですべてを整理しておく行為のことです。
形あるものに対して意識が行きやすいものの、不動産、預貯金といった財産やパソコンやスマートフォンにあるデータもすべて自分にまつわる所有物ですので、一つ一つ整理していく必要があります。
多くの方は、生前整理を始めてみて自分の所有物の多さに驚いてしまうものです。体力や気力のある年齢であれば、持続して生前整理を行えますが年齢を重ねるにつれて物の移動や廃棄などをおこなうのがむつかしくなってきます。終活でおこなう生前整理は、できるだけ早い段階から取り掛かる方が賢明だといえるでしょう。
生前整理をおこなう意義
自分の死後のことを考えて生前整理を行いますが、どのような意義があるのでしょうか?生前整理をしないままで亡くなった場合には、残された家族の負担が大きくなります。
不動産や預貯金などの財産を明確にしておかなければ、手続きに不備があったり遅れたりしてしまうでしょう。さらには、相続問題のトラブルに発展するケースも少なくありません。また、遺品においても家族が処分をするかどうかの判断に悩まされてしまうことも良くあるのです。
自分が後世に残したいものをしっかりと把握しておけば、思い残すことなく人生の締めくくりを前もって準備しておけます。したがって、終活で生前整理をおこなうことは自分の意思を確かめる意味合いも大きいものです。
自分の死後の家族の負担を減らす
残したいものを自分の意思で決められる
生前整理には大きく2つの意義があることを理解した上で、いつどのように進めるのかを考えて行きましょう。
生前整理をおこなうタイミング
終活でおこなう生前整理には、タイミングがあります。ただ、具体的にいつというルールはありません。
子どもが自立したり、自分が退職したりといった節目に行われるケースが多くなります。時間や体力が必要なため、現役で多忙な時には、どうしても生前整理を考えるゆとりすらないといえるでしょう。
生前整理は時間も大幅にかかってしまう作業ですので、始めるのであれば元気な頃から少しでも始めておくのが賢明です。
生前整理ですべき具体的な内容
ここからは、生前整理ですべき具体的な内容を説明していきます。
財産目録を作る
自分の財産状況を明確に把握するためにも財産目録を作成しておきましょう。本人が明確な財産目録を作成しておくことで、遺族が財産の状況を調査する手間は省けるようになります。財産目録には以下の内容を記載しましょう。
- 不動産(土地や建物)
- 預貯金
- 年金手帳や健康保険証
- 有価証券
- 保険証書
- 骨董品や宝石など資産価値の高いもの
要不要を分けて不用品を処分する
自分の所有物の中で、まず残しておきたいもののリストを作っておきましょう。生前整理は、大小さまざまなものを仕分けするため、誤って必要なものを処分してしまうことも考えられます。家族や業者の手を借りる際にも、リストがあれば誤って処分するリスクを大きく軽減できるでしょう。
夫婦や親子で共有しているものに関しては、勝手に自分だけで判断をしてしまわないように前もって聞いておくようにするのが無難です。
要不要で分別する際の心構え
要不要を分ける際に、思い出のあるものはなかなか不用品として手放せない思いがあるのも当然でしょう。しかし、単なる断捨離とは違い生前整理は、残された遺族の負担を減らす目的があるため、必要以上に残しておけば生前整理の目的を果たさなくなってしまいます。迷いが生じる時には、自分の思い出があり手放せない気持ちがあっても今一度、生前整理の目的を念頭に置くようにすること大事です。
不用品の処分方法
不用品の処分をする際には、以下の方法があります。生前整理が進まにくい理由の一つには、不用品を自分で処分できない事情を抱えている場合が多いのです。
- 自治体の粗大ゴミ回収に出す
- リサイクルショップを利用する
- オークションやフリマアプリに出品する
- 親しい人に譲る
- 不用品回収業者や生前整理業者に回収してもらう
不用品回収業者や生前整理業者に回収してもらうのが、最短で不用品を処分できます。できるだけ早く生前整理を終わらせたいという方には、業者の利用が断然おすすめです。しかし、自治体の粗大ゴミ回収に比べるとそれなりの費用が発生することも考えておくかなくてはなりません。
不用品を売却できればお得な処分ができます。買取対象になる状態のものなら、活用してみるのも良いでしょう。オークションやフリマアプリは、誰もが気軽に出品ができる反面、商品の説明や取引の内容を注意深くしなくてはなりません。最終的に売れるとは限らないため、時間のゆとりがない方にはおすすめできません。
不用品回収業者や生前整理業者の中には、買取にも対応してくれる業者もあります。一社の依頼で不用品の回収と買取が済むメリットがあるわけです。
データやIDなどのデジタルの整理
遺品整理の際に遺族の悩みとして多く挙げられるのが、銀行口座の情報や銀行印の保管場所です。現在では、インターネットを利用している方も多いためデータやID・パスワードが分からないケースも珍しくありません。預貯金に関しては財産目録に記載しておいたとしても、ネットバンクなどを活用している方なら別途、その情報もまとめておきましょう。
パソコンやスマートフォンの普及でデジタル遺品の問題が取り沙汰されるようになりました。残したくないデータは前もって消去をしておき、残しておきたいデータはメディアに残しておきましょう。ID・パスワードに関しては、この2つが無ければ解約ができなくなるものも多いので分かりやすくまとめておく必要があります。
エンディングノートを作る
エンディングノートは、葬儀のあり方や遺品の取り扱い、訃報の際に連絡して欲しい人などと家族への思いを記載しておくものです。注意をしてもらいたいのは、エンディングノートに遺産の分配方法を書いていても、法的な効力がないことです。効力を発揮させるためには、遺言状の作成をするようにしてください。
まとめ
終活の一環として生前整理を始めたいと思っている方は、まずは、生前整理の意義とタイミングを把握した上で、今後の計画を立てるようにしましょう。自分ひとりの都合だけでは、進めにくいものですので家庭環境においてもある程度のゆとりがあるタイミングが、より望ましいといえます。生前整理を始める際に、具体的な内容を念頭に置いた上でどのような風に時間を充てられるのかを考えてみることから始めていきましょう。