生前整理といった言葉は何んとなく寂しげなイメージがしてしまいます。そのためか、少しでも早く身のまわりの片付けをしたいと思いながらも、先のばしになっているのが現状のようです。生前整理にとりかかった人の多くが、還暦や退職後をきっかけに始めているようです。ほとんどの人は、生きてきた年数分だけ荷物も増えています。それに反して、体力や気力は衰えてきます。
生前整理をしょう!」と思ったときが、一番体力も気力も充実した時期です。
そのチャンスを逃さずに、上手に片付けの波に乗りましょう。
目次
- 生前整理は退職後が最適な理由
- 断捨離とは?
- 一度に片づけようとしないこと
- 定年後は第二の人生の始まり
- あの時処分しておけばよかったと後悔したもの
- 大型家具
- 個人情報がいっぱい入ったパソコン
- 女性に多い買い物依存症・今すぐリサイクルに出しましょう
- ものに埋もれた生活をしないために
- ものの位置を決める
- 収納量は7~8割にする
- ものを購入する前に自問する
- まとめ
生前整理は退職後が最適な理由
思い切ってものを捨てたいと思うものの、なかなか捨てる勇気が出ず、捨ててしまったらあとで困るのではないかと思ってしまいます。
しかし、通勤カバンや靴、スーツ、コートなどは思い出が詰まっているとはいえ、消耗品です。
楽しかった思い出ばかりではなく、辛い思い出がよみがえるようなら、思い切って処分しましょう。
生前整理とは少し違いますが、失恋をした彼女が彼とのデートの時に着た服や靴などをすべて処分したら、新しい彼氏ができたといった話もあります。
ものを処分することは、新しく生き直すことです。
特に悲しい場面や辛い場面で着た服は、処分した方が賢明です。
負のイメージがなくなると、希望の光が差し込んできます。
会社人間として長い間勤めてきた人ほど、退職後はなるべく早く生前整理をして、新しい人生を再び楽しむことをおすすめします。
断捨離とは?
断捨離という言葉が流行り出してもうずいぶん年数がたちますが、断捨離とはヨガの行法を応用した整理法のことです。
断は新しく入って来る物を断つ断行のこと、捨は今ある不必要なものをてる捨行のこと、離は、物への執着心から離れる離行のことで断捨離は修行なのです。
修行と思えば、思い出が詰まった会社勤めに着た服や履いた靴も思い切って捨てることができます。
一度に片づけようとしないこと
「生前整理をしょう!」と思い立ち、片付け始めるとあれもこれもと一気に片付けたくなりますが、片付け手は自分なので、まだ生きています。
平均寿命から見ても、よほどのことがない限り、まだ生き続けていくに違いません。
片付ける際に、要るものまで処分してしまわないようにしましょう。
どこから手をつけて良いかわからない場合は、玄関の靴入れからがおすすめです。
靴は靴箱に入るだけと決め、長時間履くと足が痛む靴は捨てましょう。
靴底には、ばい菌がたくさんついています。古い靴を取っておいても邪気が宿るくらいです。
使わないゴルフ道具や自転車などが玄関に置いたたままなら、思い切って処分しましょう。
「幸せは玄関から入ってくる」といいます。何はともあれ玄関を綺麗にして天使の入り口を開けておきましょう。
定年後は第二の人生の始まり
定年後は、年金世代だからもう高価なものは買えないという不安から、処分せずに保管してしまいがちです。
バブル時代を経験した世代は、家具をはじめ衣類やバッグもかなり高価なものを所有しており、処分をするのはもったいないと思ってしまいます。
かつてのステイタスな自分ではなくなるのも不安です。
しかし、何十年もの前の毛皮のコートやブランド物のバッグが似合う人もいれば、似合わない人もいます。
身に着けて落ち着かないようなら、少しでも早く処分する決断を下した方が、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。
あの時処分しておけばよかったと後悔したもの
大型家具
昔の婚礼家具と言われる洋服ダンス、整理ダンス、和ダンスなど一式です。
他にもサイドボードやソファ、絨毯、カーペットなども早く処分をしておけばよかった物の中に含まれています。
かつてはリビングには毛足の長い絨毯やカーペットを敷き、ソファを置きサイドボードには洋酒を並べるといった図式があこがれでした。
しかし、年齢を重ねるとカーペットとフローリングの段差でつまずいたり、ソファには取り入れた洗濯ものが山積みされていたり、サイドボードには賞味期限が過ぎた頂きもののお菓子が入っていたりするものです。
もし、この3つがなければリビングで転倒する可能性も低くなり、ソファが物置代わりになることもなく、サイドボードの引き出しにわけのわからないものが入っていたということもなくなります。
個人情報がいっぱい入ったパソコン
今では必要がなくなった会社関係の情報は早く処分しておけばよかったと思っているようです。
自治体ではデスクトップ、ノート、液晶一体型、液晶ディスプレイなどすべて引き取ってもらえません。
パソコンに個人情報が残ったまま廃棄すると、悪用される危険があるため自分でデータ消去をしておく必要がありますが、この作業もなかなか手間と時間がかかります。
パソコンを新しくするなら、退職後のまだ事務能力がある間に処理しておくとよいでしょう。
女性に多い買い物依存症・今すぐリサイクルに出しましょう
定年まで働く女性が増え、仕事や家事に追われる中で、ストレス解消のために洋服やバッグ、靴やアクセサリーなどを「ごほうび」と称して購入する人が増えています。
購入することでストレスが解消され、実際には未使用のままの身のまわり品があふれているようです。
退職後は生活スタイルが変わり、ハイヒールよりもスニーカーが欲しくなったり、スーツよりもスポーツウエアが必要になることもあります。
もういらないと思った時点が、買い物依存症と決別した瞬間です。
さっさと処分すると、状態の良いものはリサイクルショップで引き取ってもらえます。
高価なものだからと取っておいても、病気を引きずっているようなものなので百害あって一利なしです。
ものに埋もれた生活をしないために
「買取サービスを利用したいが、高級ブランド品や宝石などしか買い取ってもらえないのでは?」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、汚れや傷みがなければ、基本的にどんなものでも買い取ってもらうことができます。
買取品目についての具体的なことは、直接相談してみましょう。
ものの位置を決める
ものに埋もれた暮らしをしないためには、収納箱や収納家具を新たに購入しないようにして、いつも使うものは見えるところに収納しましょう。
若いときは見せない収納をしていた人も、定年退職後の収納は「見える収納」が探し物をしないコツです。
例えば玄関にはおしゃれなフックを取りつけ、帽子やサングラスなどをかけておくとか、小引き出しにはラベルを貼り何がどこにあるかすぐにわかるようにしておくと、探し物をせずにすみます。
収納量は7~8割にする
すき間があるとつい詰め込む癖がある人は、クローゼットや食器棚の収納物を常に余裕のスペースがあるようにしておくと、同じようなものを買ってしまうことが防げます。
ものを購入する前に自問する
「現在持っているもので代用できないか?本当に必要か?いずれ使うかもしれないではなく、いつ使うか決まっているか?」などを考えてから購入するようにしましょう。
まとめ
生前整理のメリットは、本人がおこなうので、自分の判断でものを処分することができることです。
そして、最大のメリットは、遺された人の負担の軽減です。
人が亡くなった後は、数えきれないほどの手続きを、短期間のうちにすませる必要があります。悲しみの中での葬儀や遺産の相続、遺品の整理などは心身両面でかなりの負担がかかります。
また、生前整理をした後も本人は生き続けるわけなので、持ち物を減らしたことによってて掃除がしやすくなったり、探し物に時間をかけることが少なくなります。