遺品整理をしていると、形見として持ち続けることができるものも限られてしまうため、どう処分したら良いのかという悩みに直面します。「故人がとても大事に使っていたものだから供養したい」「普通のゴミと一緒に捨てるのは抵抗感がある」という気持ちがするのも当然です。
今回の記事は、遺品整理で供養の対象になる遺品・遺品の供養が必要な理由・供養の方法や料金を紹介しています。
遺品整理の供養の対象になる遺品
遺品整理で供養の必要がある遺品は、特に故人が生前に大切につかっていたものです。遺族からみると、遺品を見ただけでも在りし日の姿が鮮明に浮かんで来るものですので、思い入れの強いものとなります。以下のものは供養を行うのが普通です。
- 仏壇や仏具
- 神棚
- 位牌
さらに、故人が直接日々使っていたもの、思い入れがあり大切にしていたものも、悩んだ場合には供養をした方がよいとされています。
- メガネ
- 本
- 人形
- ぬいぐるみ
- 衣類
- 時計
形見分けとして遺族が大切に持っておくこともできますが、年数が経過するに連れて粗末な扱いをすることにもなり兼ねません。大事に遺品を持ち続けることができないこともあり得るので、故人が遺品として残してほしいとエンディングノートや遺言で伝えていたものは、処分をせずに形見として取っておきましょう。
遺品の供養はどうして必要なの?
そもそも遺品整理は、要るものと要らないもの、形見分けするものに分けて行くものです。なぜ、遺品整理では供養が必要になるのかを説明していきます。
亡き人への遺族の気持ちの整理
遺品整理に期限が決められているわけではないものの、お葬式後、四十九日まで供養を行い、法要を済ませてから行うことが多くなります。例外的に、賃貸物件に故人が住んでいた場合には、明け渡しの必要に迫られているためお葬式後から遺品整理を進めなければなりません。
一般的には、四十九日の法要後から遺品整理を開始しますが、まだまだ、悲しみの真っただ中に置かれています。メガネや時計など故人が愛用していたものを手にすると、生前の声や面影が浮かんで来るものです。それでも、喪失感がある中でも遺族は何とか故人の思い出を大事にしながら暮らしを動かして行かなければなりません。
遺品整理後に供養を行うと、遺族の気持ちの整理にもつながります。多くの場合、供養はお焚き上げといって火を使った浄化を行います。浄化することで、遺族も深い喪失感からだんだんと離れて気持ちの整理ができるようになるのです。
故人の冥福を祈るために遺品の供養を行う
遺族の気持ちを穏やかにするためという目的ばかりではなく、大切なのは故人の冥福を祈るために供養をする意味合いももちろんあります。形見分けとして「自分が遺品を大切に持っていたい」というものもあるでしょうが、お焚き上げの儀式を終えると故人への供養を済ませられるという大きな意味合いがあることも知っておきましょう。
お焚き上げで供養するのは魂が宿ることから
遺品には単なるものではなく愛用していた個人の思いがこもっていると考えられているため、単なるものとして粗末に捨ててしまうのは、故人をないがしろにすると考えられています。そのため、遺品を処分する際には、故人の大切な遺品を供養することが必要だと日本の風習では考えられるようになったのです。
遺品整理の供養の方法は?
遺品整理で供養を行う大切さが理解できても、実際に、どんな方法で供養をしてもらえば良いのか分かりにくいものです。遺品はさまざまにあるだけに、処分するもの・形見分けするもの・供養をしてもらうものと仕分けの際にも、悩むことが多くなります。
依頼方法は、3つありますのでどちらが相応しいかを検討してみることをおすすめします。
寺院や神社に供養を依頼する場合
まず、菩提寺がすでにあるなら、寺院に相談してみましょう。神棚などは、最寄りの神社に相談するのがおすすめです。寺院や神社で気がかりになるのは供養の料金、つまり「ご志納」「お布施」ではないでしょうか?持参する場合もあれば、住職や神主に出向いてもらう場合もあるので、分かりにくさがあるものです。やはり、寺社へ問い合わせをするのが賢明でしょう。相場すら分かりにくいので、前もって相談する方が安心です。
一般的な相場は、以下の通りです。
- 現地での供養を依頼した場合(寺院) 10,000円~30,000円
- 郵送による供養を依頼した場合(寺院・神社) 3,000円~15,000円(送料の負担)
お焚き上げ専門業者に依頼する場合
こちらのお焚き上げ専門業者への依頼は、郵送で行える方法ですので地域を問いません。遺品整理の供養、終活、断捨離などできちんとけじめをつけたいという思いがあれば利用ができます。
- 業者からキットを購入する
- 必要事項を記入し遺品を詰めて投函する
- 神社で丁寧な供養・お焚き上げが行われる
- お焚き上げが完了すると証明書が郵送される
こちらの利用は、レターパック・ボックスサイズの確認をして遺品から相応しいものを選ぶことで、全国どこからでも依頼できます。料金の一例を紹介します。
- レターサイズ 1,650円
- ボックスサイズ 6,600円
仏壇や神棚などの大型のものではなく、比較的コンパクトなものの供養に向いているサービスです。
自宅に出向いてもらえる遺品整理業者に供養を依頼する場合
一方、遺品整理業者に遺品整理だけではなく供養も合わせて依頼することも可能です。遺品整理業者は、遺品をどう供養したら遺族の心の負担を軽くできるのかについても対応してくれます。一般のゴミとして遺品を処分することは到底できないと考えることもあるでしょう。
合同供養のやり方
遺品整理業者が、遺品を預かり供養を住職に行ってもらいます。この際に、立会いを希望する場合には、それも可能なので最後まで見届けることができるので落ち着けるでしょう。合同供養というやり方に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。けれども、信頼ある遺品整理業者では厳格な寺院や神社、専用供養場所で供養を正式に行うため、合同供養と言えども適切に読経を行うなど品質は保証されています。
合同供養は、量の制限は業者で設定していますが、規定量までは無料を行ってくれます。
個別供養のやり方
個別供養は、住職に自宅まで出向いてもらい供養してもらうものです。寺院とのつながりがないけれど、供養をしっかりと自宅で行ってもらいたい希望がある時におすすめします。この場合には、20,000円程度が相場です。
まとめ
遺品整理の供養は、このような方法で行えます。故人が信仰している宗教や意向があれば、そちらを優先することが理想的です。なかなか遺品の供養をどうしたらいいのか分かりづらいものですが、遺品整理業者なら遺族の思いに寄り添いながら遺品の整理を行う技術を持っているスタッフが在籍しているので、安心して相談もできます。遺品整理と合わせてお焚き上げによる供養を依頼することもできるため、費用や方法についても見積もりの際にあわせて聞いておくようにしましょう。