遺族がしなければならない仕事の1つが遺品整理です。
しかし、遺品整理をする機会はそれほど多いわけではなく、「どのタイミングすべきなの?」といつ始めるべきなのか迷ってしまう方もいることしょう。
また、遺品整理はトラブルが起きやすいため注意が必要です。
そこで今回は、遺品整理を始めるタイミングはいつなのか、遺品整理によるトラブルを回避するためのポイントについて見ていきましょう。
目次
- 遺品整理を始めるタイミングは自由
- 一般的な遺品整理を始めるタイミング
- 葬儀を済ませてすぐ
- 四十九日が終わってから
- 諸手続きがすべて終わってから
- 相続税の申告期限前
- 気持ちの整理がついた時
- 遺品整理でトラブルにならないためのポイント
- 遺言書やエンディングノートを探そう
- 遺品整理は遺族の合意を取ってから
- 期限があるモノは早めに対応
- 遺品整理業者を利用するのもあり
- 形見分けのタイミングはいつ?
- 遺品整理と同様に「正解」はない
- 一般的には四十九日
- 宗派によって違いがある
- まとめ
遺品整理を始めるタイミングは自由
遺品整理を始めるタイミングですが、「正解」というものがありません。
いつ遺品整理をすべきなのかという明確なルールはなく、どのタイミングで整理を始めて問題ないのです。
ただ、遺品整理のモノによっては、手続きが必要なものがあります。
その中には、手続きの期日が決まっているモノもあるので、それらは優先的に処理して整理していくことが重要です。
特に期日がないモノであれば、気持ちが落ち着いたタイミングで遺品整理を始めましょう。
一般的な遺品整理を始めるタイミング
正解がない遺品整理のタイミングだけに、いつ始めるのか迷ってしまう方もいるでしょう。
そのような方は、一般的に行われやすい遺品整理のタイミングで始めるのがおすすめです。
そこでここからは、遺品整理を始めるタイミングについて紹介していきます。
葬儀を済ませてすぐ
葬儀を済ませてすぐのタイミングで、遺品整理を始める方もいます。
葬儀では相続権のある親族が揃っているケースが多く、遺品整理を始めるタイミングとして丁度良いです。
とくに、親族が離れ離れでなかなか集まることができない環境の場合には、確実に集まることができる葬儀の直後に遺品整理を始めるのがおすすめです。
また、故人が賃貸に住んでいた場合には、契約の問題が発生します。
契約者が亡くなった場合の家賃や退去日などは、賃貸契約書に掲載されているはずです。
契約によっては、「14日以内に退去する」などと決まっているケースもあります。
そのため、故人が賃貸に住んでいたのなら、葬儀直後から遺品整理を始める必要があるのです。
四十九日が終わってから
遺品整理のタイミングで、最も選ばれやすいのは四十九日が終わってからです。
その理由としては、精神的に立ち直るための期間が必要だからです。
葬儀の直後では、親族が気持ちの整理がついていません。
その点、49日ほど経過することによって、少しは気持ちの整理をつけることができて精神的にも安定してくるのです。
また、四十九日の法要では親族一同が集まるのが一般的です。
そのため、形見分けなどをしやすく、遺品整理を始めるタイミングとしてベストとなっています。
諸手続きがすべて終わってから
親族が亡くなると、様々な手続きをしなければなりません。
主な諸手続きとしては、「死亡届」「公共料金の解約・名義変更」「携帯電話の解約・名義変更」「年金・保険の届出」などが挙げられます。
一般的にこれだけの手続きがあるわけですが、故人によっては他にも手続きをしなければならないこともあります。
これらの手続きをすべて終わらせるだけでも、とても労力が必要です。
それだけに、諸手続きと並行して遺品整理を始めると大変になってしまいます。
ですから、すべての手続きが終わったタイミングで、遺品整理へと移行するというのも選択肢の1つなのです。
相続税の申告期限前
相続税の申告期限前にタイミングで、遺品整理を始める方も多いです。
相続税とは、相続する遺産にかかる税金のことを指しています。
すべての方に相続税がかかるわけではなく、相続税の非課税額を超えた場合に課税されることになります。
相続税がかかる場合、相続税の申告書を作成して税務署に提出しなければなりません。
この申告書の提出期限が、亡くなってから10カ月以内となっているのです。
遺品整理をしなければ、相続額を割り出すことができず申告書を作成することができません。
そのため、相続税の申告期限前のタイミングで遺品整理をする方が多いのです。
気持ちの整理がついた時
遺品整理のタイミングに決まりはないため、気持ちの整理がついた時に始める方も多いです。
これまで紹介してきたタイミングは、ちょうど区切りで気持ちの整理がつきやすいです。
しかし、区切りでも気持ちが追いつかない遺族もいらっしゃいます。
その場合には、気持ちの整理ができるまで遺品整理を待つという方もいるのです。
期限があるモノについては手続きをしなければなりませんが、期限がないモノについては気持ちの整理ができたタイミングで遺品整理を始めても問題ありません。
遺品整理でトラブルにならないためのポイント
遺品整理では、トラブルが発生するケースが多々あります。
精神的にも余裕がなくなっており、遺品整理ではトラブルにつながりやすいのです。
トラブルを避けるためには、いくつかのポイントがあります。
そこでここからは、遺品整理でのトラブルを回避するためのポイントについて紹介していきます。
遺言書やエンディングノートを探そう
遺品整理でのトラブルを避けるためには、故人の遺言書やエンディングノートを探すことが大切です。
遺言書やエンディングノートがあれば、故人の意思・想いがわかります。
遺品整理のトラブルで多いのが、遺産相続や形見分けについてです。
故人の意思・想いがわかれば、それを優先的に遺産整理ができるので、遺産相続や形見分けでのトラブルを避けることができるのです。
ただし、故人によっては遺言書やエンディングノートを用意していないこともあるので注意してください。
遺品整理は遺族の合意を取ってから
トラブルを避けるためには、遺品整理は遺族の合意を取ってから行うべきです。
遺族全員の合意を取らずに遺品整理を行えば、「価値のある遺品を持ち出したのでは?」とあらぬ疑いをかけられることがあります。
それがきっかけで、トラブルに発展するケースもあるのです。
そのため、遺品整理は遺族全員の合意を取ってから行うべきです。
期限があるモノは早めに対応
期限があるモノについては、早めに対応することがトラブル回避のポイントです。
例えば、相続税の申告は亡くなってから10カ月以内に行わないといけません。
この期間を過ぎてしまえば、相続税の控除を受けられなくなり、しかも延滞税を課されてしまうことがあります。
このように、無駄な出費につながったり、トラブルになったりするため、期限のあるモノは早めの対応がおすすめです。
遺品整理業者を利用するのもあり
遺品整理については、遺品整理業者を利用するのも選択肢の1つです。
経験豊富な専門家に任せることによって、無用なトラブルなく遺品整理をすることができます。
ただし、遺品整理業者はたくさんあり、業者によっては対応が悪いケースもあります。
それだけに、遺品整理業者を利用する時には、業者選びがポイントです。
形見分けのタイミングはいつ?
遺品整理に加えて気になるのが、形見分けのタイミングではないでしょうか。
形見分けとは、故人の遺した品物を親族や友人などに贈ることです。
品物を通して個人との思い出を共有し、故人を供養するのです。
そこでここからは、形見分けのタイミングについて紹介していきます。
遺品整理と同様に「正解」はない
形見分けのタイミングですが、遺品整理と同様に「正解」はありません。
ルールなどは決められてないため、自由なタイミングで形見分けをしてもOKです。
ただし、宗教によってはタイミングが決まっているケースがあります。
そのため、宗派によって決められたタイミングがあるのなら、そのタイミングで形見分けをするのがおすすめです。
一般的には四十九日
形見分けのタイミングですが、一般的に多いのが四十九日の時です。
四十九日の法要は「忌明け」と呼ばれており、この日をもって故人が仏様のもとに向かわれるとされています。
そのため、このタイミングで形見分けを行い、故人を供養するというのが一般的なのです。
とくに問題がなければ、四十九日に形見分けを行うのがおすすめです。
宗派によって違いがある
形見分けのタイミングは、宗派によっても違います。
例えば、神式の場合には神霊祭の五十日祭の日もしくは、三十日祭の日に行うのが一般的です。
また、キリスト教では形見分けというしきたりはないのですが、日本では1カ月命日の追悼ミサで行われるのが一般的となっています。
宗派に応じて、形見分けのタイミングを決めるのも1つの手です。
まとめ
遺品整理のタイミングには決まりがありません。
気持ちの整理ができた時に、遺品整理を始めてもいいのです。
ただ、期限があるモノについては、優先的に手続きをするのがおすすめです。
また、遺品整理ではトラブルに発展するケースがあります。
トラブルを回避するためにも、全員の合意を得てから遺品整理を行いましょう。