大切な家族を亡くすと葬儀の悲しみや忙しさも残る中、遺留品の整理のこともそろそろ考えなくてはならなくなります。人生に何度も経験することではないので、自分で遺留品の整理をするにはどうしたら良いのかわかりづらいものですね。深い悲しみの続く中にありながらも、刻々と時間は過ぎていきます。遺留品に向き合おうとしてもなかなか気持ちの整理がすぐにつくものではないだけに、直面してみて初めてその大変さやつらさを知る方も多いでしょう。
この記事は、遺留品の整理の意味・自分で行う時の準備・遺品整理の注意点をまとめています。
目次
- 遺留品とはどんなもの?
- 遺留品の整理を自分で行う時の進め方
- 準備しておくべきもの
- 作業しやすくするための服装の準備
- 遺留品の整理をしやすくするための道具や資材の準備
- 遺留品の運搬に必要なものの準備
- 遺留品の整理を行う意味合い
- 遺留品を整理する時の注意点
- 自分ひとりで行うのは親族間のトラブルを招く
- 手続き書類は早めの準備を心がける
- 処分に踏ん切りがつかない時には保留する
- 遺留品の整理を業者に任せるメリットとデメリット
- まとめ
遺留品とはどんなもの?
遺留品と聞くと、犯人の残したものや痕跡をイメージする方が多いのではないでしょうか。遺留品には、もう一つ「所有していた人が亡くなってその後に残されたもの」という場合にも用いられます。
今回は、後者の所有者の死後に残されたものの整理について見て行きます。
遺留品の整理を自分で行う時の進め方
大事な家族を亡くし無事に葬儀を執り行い、時期の違いはありますが、遺留品の整理は遅かれ早かれ行う時が来ます。
人生の中で遺留品の整理は、たびたび行われることではないのが普通です。生活用品や家具、電化製品、貴重品など様々なものがあり、それぞれ種類ごとに分けて整理しなければならないのでとても大変な作業となります。
遺留品の整理を自力で始めると言っても、どんな風に手をつけて良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
準備しておくべきもの
自分で遺留品の整理を始めるためには、まず、準備を行うようにしましょう。作業を効率よく安全に進めるためにも不可欠です。
作業しやすくするための服装の準備
作業着、汚れてもいい洋服、軍手、スリッパなどはあらかじめ準備しておきましょう。作業しやすい服装だけではなく、整理するための道具や資材も必要です。
遺留品の整理をしやすくするための道具や資材の準備
遺留品を整理しやすくするために、ゴミ袋、段ボール、ガムテープ、はさきみやカッターは欠かせません。その他にも、ロープやマジックがあると便利です。
さらに、処分する際に分解を自分で行う時に有ると便利なのが、工具類です。ペンチやドライバーなどがあると作業がしやすくなるものです。
遺留品の運搬に必要なものの準備
遺留品を廃棄したり買取してもらったりする場合には、台車もあると便利です。駐車場までの距離が遠い時でも、台車があると運搬の際の負担が軽減できます。
また、リサイクルショップやゴミ処理場に自分で持ち込む場合には、軽トラックをレンタルする手配もしておきましょう。
遺留品の整理を行う意味合い
故人の所有していたものに、向き合うのは在りし日の姿や声が鮮明に浮かんでくるため、遺族にとってはさらに深い悲しみや寂しさに包まれてしまいます。葬式が終わって間もなく行わなければならない条件が無い限りは、いつまで行うと遺品整理の期限は決められていません。
しかし、遺留品があり続けることで喪失感が残りかえって心の重さがいつまでも続くということもあるでしょう。
遺品を手にすると当然故人との思い出がよみがえり寂しさをいっそう感じるものですが、丁寧に遺留品を仕分けすることは、供養にもなるばかりか残された遺族の気持ちの整理にもなります。
また、大切な家族を亡くすと諸手続きには、期限があるものも多く遺留品の中から捜索しなければならないことも多いものです。
- 銀行の預金通帳や印鑑
- クレジットカードやキャシュカード
- 健康保険証
- マイナンバーカード
- 年金手帳
- 権利証
上記のようなものは、亡くなった後に手続きの期限があるものもあり、遺留品の中から見つけ出して手続きを済ませなければなりません。優先的に期限のあるものから済ませていくようにしましょう。
遺留品を整理する時の注意点
遺品整理を自分で行う時には、注意をすべき点があります。もちろん、プロに依頼する場合でも、依頼者が注意を配るべき点もあります。
自分ひとりで行うのは親族間のトラブルを招く
遺留品の整理を始めようと自己判断で進めてしまうと、金銭的なトラブルや喪失感のある中で勝手に進められたことの怒りなどに発展する可能性があります。トラブルを避けるためには、遺留品の整理は相続人全員で了解を得て行うのが望ましいです。
手続き書類は早めの準備を心がける
手続き書類に関しては、期限が定められているものから準備を心がけて行きましょう。大掛かりになる家具や衣類などの整理を進めていると、手続きの期限を過ぎてしまったということにもなりかねません。
葬儀社にも寄りますが、葬式後の手続きのリストを配布するところもあります。手続きの内容、手続きする場所、期限が大まかに記載されているので、詳細については自分で問い合わせをして進めていきましょう。
処分に踏ん切りがつかない時には保留する
遺留品の整理をしていても処分に悩んでしまい行き詰ることもあります。そのような場合には、一度思い切って保留にしてみましょう。なぜならば、深い悲しみの中にあり整理をしていると、正常な判断ができなくなってしまうことも珍しくないからです。その後、ある程度時間が経過してもう一度、遺品に向き合うと判断がつきやすくなることもあります。
「捨てなければよかった!」と後悔しないためにも即決できないものは、保留にしておいても構わないことを知っておきましょう。
遺留品の整理を業者に任せるメリットとデメリット
遺留品の整理を行う時、業者に依頼する選択肢があることもご存知ですか。遺品の仕分けや買取、処分、各種の手続き、清掃、遺品供養など広く対応してもらえるため、手間をかけずに終えられます。また、遺品整理士の資格保有者が対応するため、経験が豊富であり安心してお任せできるというメリットは大きいでしょう。時間の確保ができない、体力的に無理などの事情があるときには頼りになるのがプロの業者です。
一方、プロの業者に依頼するデメリットもあります。何と言っても大きいのは、費用がかかってしまうということでしょう。また、サービスの質が悪い業者に依頼してしまうと遺品を粗末に扱ったり、重要なものの仕分けを間違えられたりする恐れもあります。また、業者の介入で遺留品の整理は進んだものの、相続関係のトラブルに発展する可能性もあるわけです。
まとめ
遺留品の整理は、自分で行う場合には入念な準備が必要です。遺留品に向き合い整理をすることは、喪失感のある中さらに気持ちが重くなってしまう人もいるものでしょう。遺留品の整理をする意味をよく理解して、自分に相応しい時期を見て取り掛かるのがおすすめです。できるだけトラブルもなく、遺品をひとつひとつを丁寧に整理していくことで、深い悲しみもゆっくりとではあるものの薄らいでいくでしょう。