老前整理は、40代から50代で始める方が良いと言われています。この年齢になると、親を亡くして遺品整理に直面したことがきっかけで、老前整理への意識が高まったという方も少なくないでしょう。ところが、「何から取り組んで良いのか?」「老前整理は何をすべきか?」などそもそもやり方やメリットが実感できない方も多いものです。
今回の時期では、老前整理を50代から始めたいと思い始めている方に、50代で始める方が良い理由・老前整理でやるべき内容・老前整理を上手く進めるコツをご紹介して行きます。
老前整理を50代で始める方が良い理由
50代と言えばまだまだ体力的にもゆとりがある時期ですが、その頃から老前整理を始めるのがおすすめなのは、それなりの理由が確かにあります。「まだ、50代」だと思っていても、確実に老化は誰の身にもやって来るものです。老前整理を50代から始める方が良い理由を紹介しましょう。
体力のある50代に整理ができる
50代だとまだ体力も気力もあるために、老後や他界した後のことまで見越して老前整理をするのは、もっと先でも構わないと思われるでしょう。それは、今が元気だからこそそう思えるわけです。年齢とともに、気持ちは変わらないという思いがあっても、だんだんと疲れやすくなったり気力も衰えたりしてしまいます。
50代は、仕事や親の介護など時間的な問題があるかもしれません。しかし、老前整理の時間さえ捻出できれば身体的な負担も軽くて済みます。
一人暮らしへの備えをして生活しやすくする
50代では、だんだん子どもも結婚して独立した生活を始めている時期です。もしも、配偶者に先立たれることがあれば、一気に一人暮らしとなってしまいます。子どもを充てにしていると考えておくよりも、自分が先々一人暮らしになった時にどんな環境なら暮らしやすいのかをイメージしておくと、老後への備えが早くから整えておけるのです。
すでに50代の今でも、一人暮らしという方ならさらに身軽に動ける今のうちに、整理を進めておきましょう。すべての老前整理を済まそうと思うのではなく、先々を見越して足腰が弱った時にできそうにもないと想定できるものから進めるようにする必要があります。
60代からのセカンドライフにゆとりを持てる
60代からは、退職や経営者から一歩退くなどの大きな人生の節目を迎えます。セカンドライフは、時間的なゆとりはあっても体力的な問題が浮上してくる可能性も否定できません。セカンドライフになってやりたかった趣味や旅行を満喫したくても、老前整理に時間を充てなければならないと、時間的にも精神的にも趣味に充てるゆとりが減ってしまうでしょう。
備えを早めにしておけば、老後の準備ができているので不安を少しでも払しょくできるメリットも生まれます。気がかりになる老前整理を少しでも進めておけば、気持ちも安定した状態を保ちやすくなり、現在の暮らしや仕事にも積極的に打ち込めるようになるのです。
50代で始める老前整理でやるべきことは?
「老前整理で具体的に何をすべきか?」と考えると真っ先に思いつくのは、断捨離ではないでしょうか?物の整理に重点を置くことが多く、実際に時間もかかる整理となりますがそれ以外にも重要なことがあります。
不用品の処分
親や配偶者が亡くす経験がある方は、その後の遺品整理が大変だったと経験談でお話しされています。遺品整理で困り果てるのは目に見えていることから、50代から不要品を処分し始めることが実はとても大切なことなのです。まだまだ、50代なので自身が他界した時のためにというイメージが強くないかもしれません。断捨離を少しずつでも進めていく感覚でも良いでしょう。自治体のゴミ回収で出せるもの以外の粗大ゴミや家電・家具・布団などは、自力で処分がしづらいものです。人手や車の確保もできるという方以外なら、不用品回収業者を利用するのもおすすめです。
エンディングノートを準備
自分が亡くなった後に遺る家族のためにも、自分の意思や思いを伝えられるエンディングノートの準備も始めましょう。思いつきで手持ちのノートをエンディングノートにすることもできますが、今では専用のエンディングノートが多数出回っているのでそちらの方が、記入しておくべき内容が予め項目立てているので分かりやすくなります。
- 家族への思い
- 所有物の処分方法
- 形見分けの方法
- 遺産の相続
- お葬式やお墓の希望
預貯金・生命保険など金銭管理の見直し
まず、預貯金の見直しではあまり利用のない口座を解約しておきましょう。また、生命保険の契約内容を見直すことで、自分が他界した後の保証が充分であるかも確認することができます。補償内容の過不足を見直すことで、無駄な契約内容を減らせるメリットもあるでしょう。
50代からの老前整理を上手く進めるコツ
公私ともに多忙な50代で老前整理をできるだけ上手く進めるには、コツを抑えておきましょう。体力があるものの、時間的な制限もあるため、ともすると50代の老前整理は一気に済ませてしまおうという傾向も見られがちです。
少しずつ整理の時間を積み重ねて行く
50代の老前整理は、特別急ぐ必要がない限りは、ゆったりと進めていけます。少しずつでも構わないので、時間を積み重ねて継続していくことがとても大事です。一部屋ごとと進めようと思うと、ある程度まとまった時間がかかるので、ボックスの一ヶ所だけというようなやり方でも構いません。大事なのは、持久力だと言えるでしょう。
「使う」「使わない」「保留」で分別する
「要る」「要らない」で分別しようとすると、「まだ使えるかもしれない?」と考えて自ずと取っておくことになりがちです。今、または1年以内に「使うか」「使わないか」で判断してみるのが賢明です。断捨離と同じテクニックですが、「保留」するものがあってもかまいません。決めかねているものを無理に捨てようとするのは、それだけ迷いが生じてしまい時間のロスとなってしまいます。「保留」の分別をしておけば、その後、時間が経過して見直すと「やっぱり要らなかった」と判断できるようになるものもあるものです。
子どもや配偶者のものまで処分しない
50代となると子どもが小さかった頃のものや配偶者の持ち物も結構家の中には、たくさんあるでしょう。そこまで手を出して整理を進めようとすると、老前整理の目的から反れてしまいかねません。家族であっても、相手の承諾なしに捨ててしまうのは険悪なムードにもなってしまうことを理解しておきましょう。
まとめ
50代から老前整理を始める方が良いことがいろいろとあることがお分かりいただけたでしょうか?老前整理でやるべきこと・上手く進めるコツを意識してできることから取り組んでみると、老後の不安がなくなるだけではなく今の生活も快適になります。ぜひ、参考になさって老前整理に取り組んでみてください。