遺品の中でも思い入れが強くなかなか処分ができないものの一つとして、着物があげられます。「在りし日の母の姿を思い出すので、とても手放すことができない」という方も多いものです。着物の美しい柄や質感、色合いは故人を偲ぶ気持ちにさせてくれますが、やはりいつかは処分をしなければならない日がやって来るのでどう処分したら良いのかという悩みに直面します。
今回の記事は、遺品整理の際に見つかった着物の処分方法をご紹介します。廃棄するだけではなく、リメイクしたり形見分けしたりする活用方法もあるので検討してみてはいかがでしょうか?もちろん価値のある着物は、売却することもできるのでその方法もお伝えしていきます。
故人の着物を処分する方法
身内を亡くすといろいろな遺品の整理や処分が必要になりますが、特に着物は故人の思い出が鮮明に残っているものが多いので処分に踏み切れないことも多いものです。主な処分方法をご紹介しましょう。
思い入れのある着物だけを残しておく
遺品の着物の中でも思い入れのあるもので、虫食いや汚れもほとんどないものなら残してきましょう。着物は、高価なものも多いためみすみす捨ててしまうのはもったいない話です。
厳選したものだけを残せば、着物に時々風通しをしたり防虫剤をいれたりする管理もしやすくなります。
形見分けをする
故人と親しい間柄の人に、思い出がある着物を形見分けをするのも遺族にも先方にも喜ばれるものです。親しい間柄といっても、形見分けをしたい対象者が複数人要ることも考えられるので、遺族側がある程度、形見分けする着物を選択しておくのが良いでしょう。できるだけスムーズに遺品整理で出てきた着物を処分するコツを把握すれば、効率よく処分を進められます。
着物ですので、着用する機会のある人やリメイクをするのが好きな人に形見分けするのが喜ばれます。
リメイクをする
着物を着物のままではなく、洋服やドレス、バッグ、テーブルセンターなどにリメイクする方法も可能です。伝統の着物柄は、とても美しく存在感があります。着物を使ったベストやチュニック、ワンピースやフォーマル向けのドレスなどにも向いているので、興味がある方はリメイクを検討してみましょう。着物のままでは無くても大事な思い出のあるものを有効活用することができるのです。
リサイクルショップや着物買取で売る
手元に残したいもの以外をリサイクルショップや着物買取へ売却するのも処分の一つです。高級な着物やブランド着物以外で古い着物は、安い買取額になることが多いもののまとめて処分ができるのはメリットになります。
最寄りに買取店がない場合でも、宅配買取を利用すれば手軽に買取してもらえるので便利です。
- 宅配買取の申し込みをする
- 配送するためのダンボール箱や必要書類が買取店から届く
- 着物や小物などを入れて宅配業者に収集に来てもらう
- 買取店からの査定額がメール連絡される
- 納得が行けば買取が完了し指定日に買取金額が振り込まれる
遺品整理業者に処分してもらう
着物以外にも整理したいいろいろな遺品がある場合には、遺品整理業者に処分をしてもらうとスムーズに片付けられます。特に、故人の着物がたくさんある場合には処分をしようにもかなりの重量があり負担も大きくなるものです。遺品整理業者であれば、その点、自宅へ出向いて整理を行ってくれるので費用はかかりますが、スムーズに片付けてもらうことができます。
捨てることに抵抗がある場合には、お焚き上げの対応をしている業者もあるので相談してみましょう。
自治体の回収で処分をする
古くて汚れや傷みが著しい着物であれば、自治体のゴミ回収で処分をするようにしましょう。基本的に、布製品なので燃えるゴミで出せます。自治体によっては古布の区分で受け付けしているところもあるため自治体のルールに沿って出すようにしましょう。
きちんとした遺品の供養をしたい場合には、お寺や遺品整理業者、お焚き上げの専門業者へ依頼することができます。
遺品整理で出た着物をスムーズに処分するコツ
着物の処分は、思い出があったり悲しみの中にあったりするため他の遺品よりも処分が進みにくい傾向が顕著です。着物処分をスムーズに進めるためには、コツを意識してみることをおすすめします。
迷いがあれば一時的に保管する
故人の着物を整理している時に、処分に迷いが生じることが良くあります。そのような場合に「残す」「捨てる」の判断を焦る必要はありません。気持ちの区切りがついてないものは、一時的に保管してまた一定の期間が過ぎてから見直すのも賢明です。早く済ませようとしてしまうと、かけがえのない着物を処分してしまい後悔をすることにもなり兼ねません。
着物買取専門業者の査定がおすすめ
着物の売却を考えている時には、やはり着物の正しい価値を判断できる着物買取専門業者がおすすめです。着物は物によっては相当貴重な価値があるものもあるため、着物に特化していないリサイクルショップでは正しい査定がなされない可能性もあります。
着物以外の小物も一緒に査定に出す
着物を買取してもらう計画があるなら、バッグや草履、帯、証紙なども一緒に取っておきましょう。それらが揃っていることで、買取査定に影響が出るためです。
また、小物類で査定額がつかないものであっても他の着物に査定額がつくことで、そのまま処分してもらえる業者もあるので便利に活用できます。
遺品整理業者に着物も一緒に処分・買取を依頼する
遺品整理は、思いのほか体力的にも精神的にも負担がかかることから思いきって業者の依頼を検討する人も増えてきています。着物の処分も、遺品整理の際に他の遺品の処分と同時に行ってもらうことも選択できます。すべて処分するのではなく、価値の認められる着物なら買取も対応可能な業者がおすすめです。
廃棄処分をするにしても、着物の重量は枚数が多いと想像以上に重くなります。遺品整理業者にお任せすれば、捨てるものと残すものと指示を出すだけで済むので手間はかかりません。
まとめ
思い入れのある着物を処分するのは、確かに故人の思い出を亡くすような気持ちになるものです。しかし、思い入れのあるものは手元にとって置いて、捨てようと思っていたものだけを処分することもできます。故人の遺品である着物と1枚1枚向き合ってどの処分方法が適しているかを考えてみると、だんだんと心の折り合いも着けながら着物の処分が進められるようになるでしょう。仕舞ったままの着物の処分を、よりお得により楽に処分を進めて行きませんか?