親の生前整理を一緒に進めたいけれど、普段からコミュニケーションが遠ざかっている方も多いのではないでしょうか?いきなり生前整理を始めて親と揉め事になるのではないかと心配している人もいるでしょう。それだけに、うっかり捨てようとしてしまうと些細なことから揉め事になる可能性もあるので、こうした揉め事を避ける工夫もしておく必要もあります。
この記事を読んでもらうと、親と揉めずに生前整理を行う大切なことが分かるようになります。また、生前整理を終えるポイントも解説しているので生前整理を始める前にぜひ目を通してみてください。
親と揉めずに生前整理を行う!大切なこと3つ
親の生前整理を始める時、いくら親子と言っても捨てる判断は異なるので波風を立てずに進めるにはどうしたら良いのか悩むものです。生前整理を行う上でどのような点に注意したら良いのかをあらかじめ心得た上で取り掛かるのが賢明です。
生前整理を行う際に親と揉めないようにするための大切なことを3つ抑えておきましょう。
親の判断基準を知る
実家に帰ってみて親の物の多さに愕然とする人もいるでしょう。生前整理で大切なことの1つ目は、親の判断基準を知ることです。
生前整理というと「不要なものを捨てる」ことから取り組む印象を受けてしまいますが、持ち主である親の判断なしに勝手に捨てるわけにはいきません。負担を無くそうと思って処分を進めても、逆に親に取れば自分の物を勝手に捨てられるのはいい気持ちはしないでしょう。
ケンカに発展してしまうと、生前整理ができないほどの亀裂が生じてしまうこともあります。「これは不用品だ」と自分で思っているものでも、親にしてみれば「大切な品物」というケースも多々あります。自分の判断基準を押し付けないことが生前整理ではとても重要なのです。
生前整理の目的を親子で共有する
生前整理の目的を親子で共有するのが大切なことの2つ目です。生前整理の目的は、親の亡くなった後の負担を軽減する印象が強くなりますが、実はそれだけではありません。生前整理することで、暮らしやすい環境を整えられます。
片付いていれば転倒のリスクも減らせるようになるばかりか、精神的にももの探しのストレスにさらされることがなくなり穏やかさを取り戻せるのです。これは親ととっても、存命中の目的があるというのは嬉しい気持ちになるでしょう。逆に、子供からしてみても、親が生活しやすい環境を整えておくのは安心材料となります。
病気やケガでの入院・施設入所の際にも、どこに何があるか分かると早く対応ができるメリットになるでしょう。親子で生前整理の目的を正しく理解しておくことも、とても重要なポイントです。
親の思い出に耳を傾ける
生前整理で大切なことの3つ目は、親の思い出に耳を傾けることです。普段は、帰省してもゆっくり話す時間もあまりないかもしれません。持ち物の整理をしていると、普段忘れ去っていた思い出話が出て来るものです。
実際に、親が亡くなった後の遺品整理はさまざまな手続きや四十九日の準備など深い悲しみの中でも追われてしまいます。遺品整理をしようとしても、後悔や不安に包まれ、喪失感が強く遺品を手にすることすらできない場合もよくあるものです。
生前整理で少しでも親の思いを知っておくと希望に添った選択ができるようになるので、後悔や不安はわずかでも軽くなります。日頃からコミュニケーションが不足しているのであれば、生前整理を通じて親の思い出を聞き取るようにしておくのが大切です。
親の生前整理を揉めずに終えるポイント
親の生前整理で大切なことを理解して、取り組み始めようという気持ちになれたでしょうか?生前整理を実際に始めると大切なことを理解していても、親子だからこそお互いに言いやすい関係なのでちょっとした揉め事になる可能性もあります。生前整理を円満に終えるためのポイントもご紹介しておきましょう。
一気に済ませようとしない
親の生前整理をする際に、限られた日程の中で計画的に進めたい気持ちは頷けます。しかし、一気に済ませようとすると揉め事のきっかけを作ってしまうので注意してください。生前整理は、期限が決まっているわけではありません。期限内で済ませようとすれば、身体的な負担も当然増えて来ます。
しかし、高齢になると連日の生前整理で疲れがたまってしまうことも充分考えれます。自分のペースで推し進めようとするのは、親への負担を招いてしまうため、何度かに分けて期間を置いて進める気持ちでいましょう。
ポジティブな気持ちで行う
生前整理というと、親の亡くなった後に備えてという気持ちが強くなり本人にしてみれば、何となくネガティブな受け止め方をすることもあります。子供が生前整理を手伝ってくれる気持ちは分かるものの、親に取れば体も思うようにならないこともあり気落ちする瞬間もあるでしょう。
そんな時には、できるだけポジティブな気持ちで行う工夫が必要です。生前整理は、これからの暮らしを豊かにする目的もあるので、親の希望を聴き取り配置換えをするのも良いでしょう。生活しやすい収納が実現できると、楽に暮らしやすくなるメリットを実際に体感してもらいながら、生前整理を進めるのもおすすめです。
家族でできないことは業者を活用する
生前整理をしていて家族だけではできないことも出て来ます。たとえば、大型家具や家電・布団などの処分は、車や人手がないとなかなか処分できません。そのような時には、業者を活用する方法で問題を解決していきましょう。
不用品回収業者や生前整理業者を利用すると便利です。また、家電リサイクル法の対象品目なら購入店に引き取ってもらうこともできます。その他、粗大ゴミを収集場所へ持ち込めない時には、市の指定業者に依頼すると玄関先まで来てくれます。
業者への依頼は処分費用はかかりますが、大型家具や家電などを生前整理すると、生前整理で対応できない問題を即日で解消してもらえます。他にも、生前整理で相続や財産管理などについても詳しく知りたい時には、生前整理業者なら幅広く相談に応じてくれるので便利です。
まとめ
お伝えしたように親の生前整理を円滑に進めるには、大切なことを理解しておくだけでもずいぶんと変わって来ます。大切なことを心がけて進めるようにすれば、親子での行き違いや揉め事を起こすリスクを減らせるのです。
せっかく、生前整理を親子で始めるのですから同じ目的に向かって進められるのが理想的ですね。親から子へ家の引き継ぎという感覚で行うと、お互いに気持ちを共有しやすくなります。もし、家族で取り組めないところは、生前整理を業者に任せる選択肢もあるので検討しておくようにしましょう。揉め事を避けるようにするための大切なことを理解して、できるだけスムーズに生前整理を進めて行きましょう。