「遺品整理を業者に頼みたいけれど、悪徳業者にだまされない?」「どんな風にすれば信頼のある業者を探せる?」といった悩みもとても多く寄せられています。それほど、遺品整理業者が近年になり増加してきているため、中にはトラブルも耳にしたこともあるでしょう。主に、依頼者の家の中で行う遺品整理だけに、よほど信頼のある業者でなければ気軽に任せられないと思われるのも頷けるものです。
今回は、遺品整理業者のトラブルの内容・悪徳業者が増えたわけ・悪徳業者を避けるための注意点とチェックポイントを紹介して行きます。
目次
- 遺品整理のトラブルの実情
- 遺品を不法投棄された
- 不当に料金をつり上げられた
- 金銭や貴金属を盗まれた
- 見積もりを断ろうとして脅された
- 遺品を雑に扱われた
- 遺品整理の悪徳業者が急増したわけ
- 高齢化社会で成長市場の遺品整理
- 資格取得・開業しやすい
- 遺品整理の悪徳業者の特徴に注意!
- チェックしておくべきポイント
- 悪徳業者を回避するポイント
- もしもトラブルになった場合には?
- まとめ
遺品整理のトラブルの実情
遺品整理サービスでのトラブルが、近年多く発生しています。国民生活センターに寄せられた相談件数だけでも、2013年は73件、2014年は109件、2015年は90件、2016年は114件、2017年は105件にも上っているのです。減少の傾向がはっきりとみられないため、トラブルを避ける方法を知っておく必要もありますね。悪徳業者に出会った際のトラブルは、以下のように多岐にわたります。
参照先:国民生活センター
遺品を不法投棄された
遺品整理業者が無許可のままで、遺品を不法投棄した場合には、罰則が科せられます。
・5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらが併科
不法投棄は、違法行為を行った本人だけではなく遺品整理業者に依頼した人も罰則の対象となっているため、業者選びはもっとも注意すべき点です。
不当に料金をつり上げられた
追加料金を請求し、高額な費用を請求されたトラブルも少なくありません。見積もりはあってないようなものであり、後々、何かと運搬・積み込み作業にまつわる費用を請求する手口は、悪徳業者の「手段」として使われているのです。遺品整理という業務内容と依頼者の相場を消費者が把握しづらいこともあり、言われるがままに支払いせざるを得ない状況になることもあります。
金銭や貴金属を盗まれた
遺品は、金銭や貴金属など高価なものほど重要な扱いも必要とされるため、業者が悪質な場合には、残念なことに窃盗にまで至るケースもあります。ただでさえ、業者を家に入れる行為は、立ち会いの下で行わないと窃盗の危険性も否定ができないと不安視する方もいるでしょう。遺品整理は、家の隅々、細部まで捜索や整理を行うのですから、もし悪質なスタッフがいる業者なら、窃盗の可能性もあると考えておきましょう。
見積もりを断ろうとして脅された
遺品整理業者の見積もりを見て、「キャンセルしたい」と申し出るとそれまでの態度を豹変させ逆に脅されるケースもあります。特に、女性の一人暮らしや高齢者からの依頼だと弱い立場にあることから、悪質な業者はこうした脅しを常套手段にし兼ねないとも考えられるでしょう。
遺品を雑に扱われた
遺品は、亡き人と遺族をつなぐ大切なものです。ところが、目の前で遺品整理業者が「まるでゴミのように投げた」「遺族の思いに配慮もない」などの雑な扱いをする行為もあります。遺品は、生きていた証ですから、良質な業者であれば故人の人柄や思いに触れながら、丁重に扱うのが普通です。
遺品整理の悪徳業者が急増したわけ
ここ10年程度で、一気に遺品整理業者が増加しているため、業者の宣伝やチラシなどを見かけたこともあるでしょう。遺品整理業者とのトラブルが増加したのには、社会的背景も大きく影を落としています。
高齢化社会で成長市場の遺品整理
高齢化社会になり、遺品整理業は成長市場として注目され続けています。かつては、遺品整理は遺族の手で行われるのが当たり前でした。しかし、核家族化になり遺族だけの手ではとうてい進められなくなり、遺品整理業者の需要が高まって来たのです。
こうした社会的背景からも、遺品整理業者数は増加し続けているのです。反面、遺品整理の法整備が整っていないために、悪徳業者も少なからず存在しているのが現状となっています。
資格取得・開業しやすい
遺品整理士の資格は、遺品整理士認定協会が適切な業務を身につけるために認定するものです。資格取得や開業がしやすいメリットもあるため、新規参入する業者が増えています。
- 運送業
- リサイクルショップ
- 便利屋
- リフォーム業
上記のような業者が、将来を見越して副業として遺品整理を行うケースもあります。遺品整理士の資格は2カ月程度の期間で取得できる民間資格であり、信頼を得ている良質な業者で働く人ももちろんいます。
一方では、取得しやすさから悪用されやすい面も否めません。そのため、遺品整理士が在籍している業者なら絶対に安心とは言えないのが、現状なのです。
遺品整理の悪徳業者の特徴に注意!
悪徳業者にだまされないためには、遺品整理業者の特徴を見極めるようにしましょう。物腰が柔らかく言い回しも丁寧な業者だと、消費者はついつい好感を抱いてしまいがちです。トラブルを回避するためにも、悪徳業者の特徴をこの機会に覚えておいてください。
チェックしておくべきポイント
- 訪問をしないまま電話やメールだけで見積もりをとる
- 見積書と請求金額が全く異なる
- トラックで巡回して無料回収を宣伝する
- 遺族に立ち会わせず業者のみで作業を進めようとする
- ホームページがない・実体のないホームページしかない
- 遺品整理士の資格保有者が多く在籍していない
悪徳業者を回避するポイント
遺品整理を依頼する際には、上記のチェックを抜かりなく行うことをおすすめします。その他には、対面した時のスタッフの対応、会社の実績、見積もりの詳細な内容など総合的に判断するのが賢明です。
もし、親戚や近所に遺品整理業者に依頼した経験がある人がいれば、業務内容や対応、料金など詳しく話を聞くのは、リアルな評判が得られやすく役立ちます。評判の良さは、断然、利用した人の口コミを得るのが効果的です。
もしもトラブルになった場合には?
それでも、業者とトラブルになった場合には、全国の消費生活センターでは相談を受け付けているので泣き寝入りすることなく活用しましょう。
- 消費者ホットライン 局番なし 「188」
- 上記につながらなない場合 平日バックアップ相談 03-3446-1623
まとめ
遺品整理業者には、少なからず悪徳業者が含まれているのは確かです。遺族だけで遺品整理が進められない事情から、業者を選ぶ際に入念に確認しないままに、契約を進めてしまうこともあり得ます。故人と遺族をつなぐ大切な遺品ですので、悪徳業者に依頼しないように充分に注意をしてください。良質なサービスを行う遺品整理業者ももちろん存在しています。見分け方のポイントをしっかりと抑え、後悔のない業者の選択を行いましょう。